レンガの柄を消さずに、色あせだけを回復する
桶川市川田谷 K様邸 / 築15年・窯業系サイディング / 施工期間:2025年7月19日〜8月28日(実稼働約25日)
築15年、上下で意匠の異なる窯業系サイディングのお住まいです。上壁は無地に近い意匠面、下壁はレンガ調。上壁はチョーキング(触ると白い粉がつく状態)、下壁は色あせが進んでいました。
下壁のレンガ調は、目地も焼きムラも細かく表現された意匠性の高い外壁材です。これを普通に塗りつぶすと、柄が消えてただの一色の壁になってしまいます。そこでクリヤー(透明)塗装をご提案しました。色を乗せずに保護膜だけをつくる工法で、柄をそのまま残せます。
上壁はチョーキングが出ていたため塗り替え。下壁のレンガのトーンに合わせてピンクベージュを選んでいます。破風と雨樋はダークグレーで引き締めました。屋根は瓦のため塗装は行っていません。
| 所在地 | 埼玉県桶川市川田谷 |
|---|---|
| 築年数 | 築15年 |
| 外壁材 | 窯業系サイディング(上壁:意匠面/下壁:レンガ調) |
| 屋根材 | 瓦(塗装なし) |
| 工事内容 | 外壁塗装(上壁:塗り替え/下壁:クリヤー塗装) 付帯部塗装(軒天・雨樋・帯・破風・鉄部) ウッドデッキ塗装(工事中に追加でご依頼) 屋根は瓦のため塗装なし(高圧洗浄のみ)/ベランダ防水は施工なし |
| 使用塗料 | 上壁:日本ペイント パーフェクトトップSi(3分艶) 下壁:ロックペイント クリスタルUVガードクリヤー(3分艶) 付帯部:日本ペイント ファインSi(3分艶) |
| 使用色 | 上壁:ピンクベージュ ND-490 付帯部:ダークグレー |
| 費用 | 130〜150万円(税込) |
| 施工期間 | 2025年7月19日 〜 8月28日(実稼働約25日) |


この現場の要点が1枚で分かるカットです。上は塗り替え、下はクリヤー。下壁は柄が完全に残ったまま、色が深く戻り、目地がくっきり出ています。


上壁は下壁のレンガのトーンに合わせてピンクベージュで塗り替え、下壁はクリヤー塗装で柄を残しています。


上下で意匠が異なるため、それぞれの状態と仕上げに合わせて塗料・施工方法を分けています。


破風と雨樋はダークグレーで仕上げ、上下の外壁を引き締めています。
工事中に撮影した記録写真を、確認できる日付と工程ごとに14項目掲載します。上壁と下壁で仕様が分かれる現場なので、それぞれ何をしたのかが分かるように残しています。
工事前の状態です。上壁は触ると白い粉がつくチョーキングが出ており、下壁のレンガ調サイディングは全体に色あせが進んでいました。



足場を組んだあと、高圧洗浄です。外壁だけでなく、屋根の瓦も洗いました。このお宅の瓦は塗装をしていませんが、洗って汚れを落とすことはできます。塗る必要のないものは塗らず、できる手入れはする、という考え方です。



ベランダのタイル床も洗浄しました。左が洗う前、右2枚が洗ったあとです。



外壁の目地のコーキングを打ち替えました。古いコーキングを撤去し、養生テープでラインを出してから新しいものを充填し、ヘラで押さえて仕上げます。
この工程の写真だけ、撮影日時の記録が残っていませんでした。





軒天(のきてん=屋根の裏側)の下塗りです。上を向いての作業になるので、塗料が落ちてこないよう含ませる量を加減しながら進めます。


2階の壁の下塗りです。このお宅は上壁と下壁で仕様が分かれます。上壁は色を変えて塗り替え、下壁のレンガ調は柄を残すクリヤー塗装。まずは上壁から進めました。


中塗りです。白い下塗りの上に、仕上がりの色であるピンクベージュがのっていきます。


中塗りが乾いてから上塗りです。中塗りの上に上塗りを重ねて仕上げます。仕上げは3分艶です。
この工程も、撮影日時の記録が残っていませんでした。


下壁のレンガ調サイディングは、柄を残すクリヤー塗装をします。クリヤーは透明なので、下地の色あせや傷はそのまま残ります。
そこで、クリヤーを塗る前に、色が抜けた目地やレンガの角を、細い筆で1か所ずつ塗り直しました。写真のとおり、手作業です。クリヤーを塗ったあとの見え方を整えるための工程です。





色補修が終わってから、クリヤー(透明)塗装を2回。1回目と2回目のあいだは乾燥時間を取ります。仕上げは3分艶です。塗った面はレンガの柄がそのまま残り、色に深みと艶が戻りました。




付帯部を順に塗ります。雨樋、帯(おび=1階と2階の境目にある横板)、破風(はふ=屋根の端の板)。色はダークグレー、仕上げは3分艶です。破風は3回塗りで仕上げました。




鉄部の塗装です。塗る前に表面を擦って、汚れと古い塗膜を落とします。この下ごしらえを省くと、塗料が食いつきません。25日に塗装が完了しました。




ウッドデッキは、工事が進むなかで追加のご依頼をいただいて塗りました。木部はペーパー(紙やすり)で表面を削り、粉を拭き取ってから塗ります。塗料を2回入れて、色と艶が戻りました。




工事が完了しました。上壁はピンクベージュに塗り替え、下壁のレンガ調は柄をそのまま残しています。2つの仕様を分けたことで、レンガの表情を残したまま、全体の印象は新しくなりました。




上壁のチョーキングと、下壁の経年劣化による色あせが気になっていて、塗り替えを考えていました。相談したときに親身に話を聞いてくれたこと、工事中もこまめに報告をくれたことで、安心してお任せできました。
チョーキングが出ている外壁に透明の塗料を塗っても、粉の上に塗ることになるため密着せず、かえって寿命を縮めます。クリヤー塗装ができるのは、状態が良いうちだけです。この現場は下壁のコンディションが良かったため選べた仕様でした。意匠性の高い外壁材のお宅は、劣化が進む前にご相談ください。
同じ建物でも、上と下で意匠が違えば最適な工法も違います。全部を同じ塗料で塗るほうが手間はかかりませんが、それでは下壁の良さが消えてしまいます。この現場では上下で塗料もメーカーも変えています。
「今の外観が気に入っているから変えたくない」という方も、「せっかくなら少し印象を変えたい」という方も、上下で仕様を分ければ両立できます。この現場では、下壁の柄を残しながら、上壁の色だけを変えました。
A. 状態によっては残せます。この事例では下壁にクリヤー塗装を行い、レンガ調の柄を残しながら色の深みと艶を整えました。
柄を残せるかどうかは、外壁の状態次第です。判断のためにも、まずは今の状態を見せてください。写真を送っていただくだけでも構いません。